バッハ:イギリス組曲

内容紹介

最近の我が国に於けるカール=アンドレアス・コリーは、バッハのスペシャリストとしての評価をゆるぎないものにした感があるが、彼は、崇高な雰囲気、宗教的な色彩、深い精神性、高貴でヒューマニスティックな感情、荘重で敬謙な空間の広がりなど、バッハの音楽特有の持ち味や魅力を最高度に把握し、描出する稀有な才能をもったピアニストである。スイスの宗教音楽家の家系に生まれた彼にとって、筆者の考えでは、バッハの音楽はこのピアニストの資質と先天的に一体化しているものなのであろう。マイスター・ミュージックから続々とリリースされているコリーのバッハのアルバムは、どれもが本物のバッハに接したという手応えのある感動を筆者に与えてくれたが、彼の最新録音であるこの「イギリス組曲」も勿論例外ではなく、作品のエッセンスを最も純度の高い状態で抽出した妙演を楽しませてくれるのである。(柴田龍一、ライナーノーツより)

メディア掲載レビューほか

繊細で美しいタッチと、練り上げられた解釈で、多くのファンを獲得しているK.A.コリーによる、バッハ・シリーズ。本作はバッハの鍵盤作品の中でも重要度が高い『イギリス組曲』。コンクール等でも頻繁に取り上げられている作品ながら、意外にもピアノでの新録音は多くなく、伝統を受け継ぎながらも、モダンで端正な美しさを持つ演奏が楽しめる。 (C)RS